2010-05-22

韓国哨戒艦沈没の調査結果

韓国哨戒艦沈没の調査結果(1)
 【ソウル支局】韓国軍・民間合同調査団が20日、発表した哨戒艦沈没の調査結果は以下の通り。
 ◆冒頭発言
 軍・民合同調査団は国内10専門機関の専門家25人、軍専門家22人、国会推薦専門委員3人、米・豪・英・スウェーデンの4か国の専門家24人が参加し、科学捜査、爆発タイプの分析、船体構造管理、情報分析の四つのグループに分けて調査活動を実施した。
 ◆海底から引き揚げた船体の変形、事故海域から収集した証拠物の調査分析結果
 天安はガスタービン室左舷下部から感応魚雷の強力な水中爆発により、船体が切断され沈没したものと判断される。
 ◆沈没原因が、魚雷攻撃を受けたものと判断される理由
 ▽船体損傷部位を精密計測した分析
 衝撃波、バブルジェット効果により、船体の竜骨が艦艇建造当時と比較し、上方に大きく変形し、外板は急激に折られ、船体には破断した部分があった。
 主甲板はガスタービン室整備のための大型開口部周囲を中心に破断し、左舷側が上に大きく、変形しており、切断されたガスタービン室隔壁は大きく、破壊、変形していた。
 艦首、艦尾の船底が下から上に折れているのも水中爆発があったということを立証する。
 ▽艦艇内外部の表面調査結果
 艦艇が左右に著しく揺れるのを防止するスタビライザーに現れた強力な圧力痕跡、船底部分の水圧およびバブル痕跡、熱痕跡がない電線の切断などは、水中爆発による強力な衝撃波とバブルジェット効果が、艦艇切断、および沈没の原因であることを示す。
 ▽生存者と白翎島海岸哨兵の証言の分析結果
 生存者はほとんど同時に爆発音を1、2回、聴取し、衝撃で倒れた左舷の兵士の顔に水がかかったという証言、白翎島海岸哨兵が2、3秒間、高さ約100メートルの白色閃光(せんこう)の柱を観測したという証言内容などは、水中爆発により発生した水柱現象と一致した。
 ▽死体検案結果
 破片傷と火傷の痕跡は発見されず、骨折と裂傷などが観察され、衝撃波およびバブルジェット効果の現象と一致した。
 ▽韓国地質資源研究院の地震波と空中音波分析結果
 地震波は4か所で震度1・5規模で感知され、空中音波は11か所で1・1秒間隔で2回感知された。地震波と空中音波は同一の爆発源であり、これは水中爆発による衝撃波とバブルジェット効果の現象と一致する。
 ▽シミュレーション結果
 水深約6~9メートル、ガスタービン室中央から左舷へ約3メートルの位置で、200~300キロ・グラム規模の爆発があったものと判断される。
 ▽白翎島近海の潮流分析結果
 魚雷を活用した攻撃を妨げることはないと判断した。
 ▽沈没海域から魚雷と確定できる決定的な証拠物として、魚雷の推進動力部であるプロペラを含む推進モーターと操舵(そうだ)装置などを回収した
 証拠物は、北朝鮮が海外輸出目的で配布する魚雷紹介資料の設計図に明示された大きさ、形態に一致し、推進部後部内側の「1番」というハングル表記はわれわれが確保している北朝鮮の魚雷表記方法とも一致した。このような証拠は収集した魚雷部品が北朝鮮で製造されたと認めうるものである。
 また、このような結果は一部で継続的に提起されてきた座礁、疲労破壊、衝突、内部爆発とはまったく関連がないことを認めさせるものである。
 韓国哨戒艦沈没の調査結果(2)は、こちらへ。
(2010年5月21日00時07分 読売新聞)

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